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ゲノム編集で外来魚駆除
2020.01.24
中日新聞
ゲノム編集技術を利用して外来魚のブルーギルを駆除する研究が、国立研究開発法人「水産研究・教育機構 増養殖研究所」玉城庁舎(三重県玉城町)で進められている。卵をつくるのに必要な遺伝子を壊した魚を野生に放ち、不妊化した魚を増やすことで根絶を目指す計画。ゲノム編集した生物を生態系の再生に活用する狙いだが、世界的にも例がない試みとみられ、環境への影響は未知数だ。
◆不妊化広げる
ブルーギルは北米原産の外来魚で、全長二五センチほどまで成長。一九六〇年ごろに国内に持ち込まれ、広がった。甲殻類や昆虫、稚魚、水草など何でも食べ、在来種が姿を消すなど生態系に大きな影響が出ている。
滋賀県の琵琶湖では被害が甚大。長年外来魚の駆除に取り組む「琵琶湖を戻す会」の高田昌彦代表(57)は「昔はタナゴ類やモロコ類など在来魚が釣れたが、今は外来魚ばかり」と嘆く。
増養殖研究所ゲノム育種グループ長の岡本裕之さん(52)によると、ゲノム編集技術を使った駆除の研究は二〇一三年に開始。卵をつくるのに必要な遺伝子はオスもメスも持っている。この遺伝子をゲノム編集で切断し、壊れた遺伝子を持つオスをつくる。
このオスを放流し、放たれたオスが野生のメスと交配すると、受精卵から生まれる次世代の魚も同じ壊れた遺伝子を持つ。これらの魚が交配を繰り返すと、卵をつくれない不妊化メスが増え、最終的に根絶する。
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