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琵琶湖に沈む生活の痕跡 地震で水没?庶民の暮らし解明なるか 

2020.02.05

 

米原市沖の琵琶湖で、滋賀県立大の林博通教授(現名誉教授)の研究班が1998年から調査を続け、7~14世紀前半の土器や瓦、古墳の石室が崩落したとみられる石群などが見つかった。

水深3~5メートルほどにあるのは尚江千軒(なおえせんげん)と呼ばれる遺跡。集落が湖底に沈んだとされる「千軒伝承」地の一つだ。遺物の状況から人々の生活が水中に沈んだと考えられる。7~9世紀の須恵器や灰釉(かいゆう)陶器のほか、食器とみられる器など、万葉びとの生活に関わるものも見つかった。
集落水没の原因は何か。研究班は、鎌倉時代の1325(正中2)年、滋賀から福井に延びる柳ケ瀬断層系で発生したとされる正中地震と仮定した。京都大防災研究所などとボーリングや音波で湖底の地盤を分析。湖底で発見した遺物や遺構、湖岸の陸地の地質調査を踏まえ、大地震で下部の軟らかい地層が液状化し、上部の硬い地層が湖に滑り落ちた可能性が高いとの結論に達した。

琵琶湖には、地震などによって沈んだ湖底遺跡が100カ所ほどあるとされる。林名誉教授は「尚江千軒一つをとっても、大地震による地滑りで、広範囲の集落が水没したことが分かった。湖岸では地下の軟らかい地盤が液状化し、地滑りする恐れがあることは歴史が物語っている。目に見える部分の耐震補強も大切だが、湖岸の陸地部の地滑りを土木工学的に防ぐ方策を考えておく必要があるのではないか」と指摘する。

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京都新聞 https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/154245

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