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びわ湖周辺で住民悩ます「ビワコムシ」
2022.12.01
NHK NEWS WEB
https://www3.nhk.or.jp/lnews/otsu/20221130/2060012087.html
「ビワコムシ」と呼ばれる虫の姿が目立つようになり、近くの人たちは対応に頭を悩ませています。
ビワコムシはユスリカの一種の通称で、春と秋の年2回、びわ湖南部の地域で多く発生します。
体長およそ1センチで蚊のようにも見えますが、人を刺すことはありません。
ただ、びわ湖近くの家や建物の壁や窓などに大量に張り付いていることから、地元の住民や店舗の関係者は「見た目が気持ち悪い」とか、「ことしは多い」などと対応に頭を悩ませています。
ビワコムシの生態に詳しい「滋賀県琵琶湖環境科学研究センター」の井上栄壮専門研究員によりますと、ことし特に多いわけではなく、大量発生した30年ほど前と比べると少ないということです。
成虫になるとびわ湖の外で「やっかい者」扱いされるビワコムシですが、幼虫の時はびわ湖の底で暮らし、湖の汚れのもととなる、植物プランクトンが沈殿したものを食べ、水質改善に一役買っているということです。
また、魚や鳥などのえさとなり、びわ湖の生態系を支えているということで、井上専門研究員は「見た目は悪いが、駆除する効果的な方法は見当たらず、大きな害もない。例年12月中旬にはずいぶん減るし、びわ湖の環境にとってはいい面もあるので、季節の風物詩だと思って大目に見てあげてほしい」と話しています。