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滋賀県、指定外来種にカワリヌマエビ属
2020.01.03
京都新聞
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/107212
滋賀県は、県内の生態系に被害を与える恐れがあるとして野外に放つことを禁止する「指定外来種」に、甲殻類のカワリヌマエビ属(ミナミヌマエビの県個体群を除く)を追加する。外国産や他府県産が飼育、鑑賞用として広く流通しており、琵琶湖の個体群と交雑し遺伝的多様性が失われることが懸念されるため。県は3月にも指定する。
■動植物6種追加へ
県の「ふるさと滋賀の野生動植物との共生に関する条例」に基づく指定は6年ぶり3度目。植物2種、貝類3種を含む6種を追加する方針で、指定外来種は計19種になる。県内で飼育・栽培する際は県に届け出ることが義務づけられ、野外に逃がしたり植えたりすることは禁じられる。
カワリヌマエビ属の外国産ミナミヌマエビやチェリーシュリンプは、インターネットやペット店で手軽に購入できる。特にミナミヌマエビ(体長10~30ミリ)はコケや藻、魚の餌の食べ残しなどを食べるため、水槽の水質悪化を防ぎ水の交換回数を抑えられるとして「水槽の掃除屋」と呼ばれ、人気が高い。
琵琶湖では1930年代を最後に確認されておらず、県レッドデータブックで絶滅危惧種に分類されるミナミヌマエビの県個体群との交雑や、生息域が重なる在来種のスジエビやテナガエビとの競合により琵琶湖の生態系に影響を与える恐れが指摘されている。
ヒメリンゴマイマイやオオクビキレガイなど貝類3種は、既に近隣府県にも定着し農産物被害が報告されており、県内への持ち込みを警戒している。
また、特に保護が必要とされる「指定希少野生動植物種」に、絶滅危惧種に分類される琵琶湖固有種の魚類アブラヒガイ(コイ科)など4種を追加する。外来魚による食害や湖岸環境の変化などで生息数が減少しており、原則として捕獲・採取を禁止し調査、監視の対象とする。指定希少野生動植物種は計35種になる。
県は1月20日まで県民意見を募っている。問い合わせは自然環境保全課077(528)3483。